2017年6月18日日曜日

ザアカイ
 ザアカイは、エリコに住む取税人の頭です。エリコは交通の要所で、地の利を得て、彼は莫大(ばくだい)な富を築きました。しかし、人々は不正を行い、税を取り立てたザアカイのことを、罪人(つみびと)と呼び、彼を嫌っていました。
 イエスさまがエリコに入ると、大勢の群衆がイエスさまを取り囲んでいて、背の低いザアカイはイエスさまを見ることができません。また、ザアカイが見えるようにと場所を譲ってくれるような人も誰もいません。
 そこでザアカイは、イエスさまを見ようと前方に走り出て、いちじく桑の木に登りました。イエスさまはちょうどそこを通り過ぎようとしたところで、ザアカイを見るとこう言われました。
 「ザアカイ。急いで降りて来なさい。きょうは、あなたの家に泊まることにしてあるから」(ルカの福音195節)
 ザアカイは大喜びでイエスさまを迎えました。人々はそれを見て、イエスさまは罪人のところに行って客となられた、とつぶやきました。しかし、ザアカイは気にする様子もなく、イエスさまを迎えます。そして、宴たけなわになると、ザアカイは立ってイエスさまに言いました。
 「主よ。ご覧ください。私の財産の半分を貧しい人たちに施します。また、だれからでも、私がだまし取った物は、四倍にして返します」(8節)
 それを聞いたイエスさまは、「きょう、救いがこの家に来ました。この人もアブラハムの子なのですから」(9節)と語られました。
 確かにザアカイは罪人でした。しかし彼は、罪人のところへ行って客となられたと語った群衆よりも、はるかに救いに近かったのです。イエスさまの愛は彼を立たせました。あなたのところにもまた、イエスさまは来てくださいます。ザアカイ同様、子どものような心を持って神に立ち返りましょう。 (イスラエル北野)

み声新聞2017年6月18日号(第941号)より転載—

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